地蔵菩薩像
(じぞうぼさつぞう)

国
日本
時代
南北朝〜室町時代(14〜15世紀)
形質
絹本着色
員数
1幅
法量
縦 103.8 cm × 横 44.6 cm
解説
地蔵が蓮台に乗り、雲に乗って近づいてくる姿を描く。左手に宝珠、右手に錫杖、胸に瓔珞を提げ、袈裟をまとう。地蔵菩薩は平安時代中頃から末法思想とともに盛んに信仰された。それは六道に輪廻して苦しむ衆生を救い、地獄に堕ちた者さえも救ってくれる仏だと信じられたからである。地蔵菩薩像の初期は坐像だったが、次第に立像が多く描かれ、独尊としての図像は鎌倉時代以降に急増した。一歩前に足を踏み出す姿に、少しでも早く救い出してほしいという人々の篤い願いが込められている。