概要


東海道の宿場町として古くから栄え、その雰囲気を今に残す静岡県三島市。佐野美術館は、この歴史とせせらぎのまちで昭和41年(1966)に誕生した私立美術館です。
実業家で三島市名誉市民の佐野隆一(1889-1977)が、長年収集してきた美術品が広く活用されることを願い創設されました。
佐野美術館が活動の中心としているのは展覧会です。刀剣・人形・絵画・絵本など多彩な内容で、年に6回程度開催しています。
また、通年の講座や展覧会に付随するイベント、近隣の学校への出張授業などを通じて、芸術に親しんでもらうための教育普及にも力を入れています。
佐野隆一【さの りゅういち】
三島に生まれ、旧制韮山中学校(現韮山高等学校)を卒業後、東京高等工業学校(現東京工業大学)にて応用化学を学び研究開発に従事。合資会社鐵興社の代表社員をはじめ数十社の役員を歴任し、化学工業の先覚者として近代日本の発展に大きく貢献しました。
故郷三島においては、市の発展のために多額の浄財を寄附するとともに、佐野美術館を設立し、愛蔵の美術品を寄贈しました。






沿革
1965 | 10月 | 起工式 |
1966 | 2月 | 美術館設置許可〈民法第34条 文化財保護委員会〉 佐野隆一より基金・土地・建物(美術館)・収集品の寄贈を受け、高瀬荘太郎を理事長として財団法人設立 |
5月 | 美術館建物竣工 下田舜堂が館長に就任 |
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7月 | 博物館登録〈登録番号第4号 静岡県教育委員会〉 | |
11月 | 財団法人佐野美術館開館 原安三郎が理事長に就任 |
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1969 | 4月 | 「佐野美術館友の会」発足 |
1971 | 11月 | 創立5周年 |
1972 | 5月 | 佐野隆一が理事長に就任 |
1976 | 11月 | 創立10周年 |
1977 | 5月 | 佐野隆一逝去(享年87) |
7月 | 佐野亀路が館長に就任 | |
9月 | 佐野隆一相続人代表佐野亀路より庭園・日本家屋の寄贈を受け、「隆泉苑」と命名 | |
1978 | 4月 | 美術館改修工事(講堂・事務室・展示室・収蔵庫改修、西門整備等)
三島市の展覧会事業助成の認定 |
5月 | 佐野亀路が理事長に就任 | |
1979 | 敷地内に食事処「瀬里」開店(~1995) | |
1981 | 11月 | 創立15周年 |
1982 | 4月 | 片岡眞が館長に就任 美術館改修工事(第1展示室ガラスを一部アクリルに変更) |
1986 | 11月 | 創立20周年 |
1989 | 7月 | 佐野隆一生誕100年記念式典開催、隆泉苑に記念植樹(ヒメシャラ) |
1990 | 4月 | 「広報みしま」への市民招待券の提供開始 |
5月 | 山崎貞一が理事長に就任 | |
1991 | 11月 | 創立25周年 |
1992 | 4月 | ミューズクラブ(現 佐野美術館賛助会ミューズクラブ)発足 |
1993 | 1月 | ミューズクラブ「新年例会(現 会員のつどい)」開催 |
4月 | 美術館だより/ミューズクラブだよりとして『隆泉』創刊(現 佐野美術館広報誌) | |
10月 | ミューズクラブ「十三夜の宴」開催 | |
1995 | 3月 | 敷地内の湧水地に「三島梅花藻の里」設置 |
4月 | 敷地内に食事処「松韻」開店 | |
1996 | 5月 | 西川新次が理事長兼館長に就任 |
「日本刀初心者講座」開講 三島梅花藻デザインのオリジナルグッズ製作販売 |
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9月 | 敷地内に観光トイレ「トワレかわせみ」設置 美術館改修工事(玄関・駐車場) |
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11月 | 創立30周年 | |
12月 | 公開承認施設の認定(初回)〈文化財保護法第53条 文化庁長官〉 | |
1997 | 8月 | 入館協約校制度導入 |
9月 | 土曜日の小中学生入館無料を開始 | |
11月 | 文化財登録原簿に有形文化財として登録(隆泉苑)〈文部大臣〉 | |
12月
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文化財登録原簿に有形文化財として登録(隆泉苑表門)〈文部大臣〉 青少年に対する魅力的な学習機会の提供を円滑に進める「望ましい基準」をみたしている博物館の認定〈文部大臣〉 |
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1999 | 2月 | 「三泉茶会(年1回)」開催 |
2000 | 1月 | 「慈雲会(初釜茶会)」発足 ボランティア制度導入 |
4月 | ホームページ開設 | |
5月 | 緒明實が理事長に就任 渡邉妙子が館長に就任 |
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2001 | 4月 | 全展覧会でポスター製作 |
11月 | 創立35周年 | |
12月 | 公開承認施設の認定(第2回)〈文化財保護法第53条 文化庁長官〉 | |
2002 | 2月 | 隆泉苑改修工事(土壁塗り替え等) |
2003 | 5月 | 近隣の学校への出張授業を開始 |
2004 | 1月 | 「さのびこどもくらぶ」発足 |
3月 | 佐野美術館基本構想委員会発足、新たな基本構想を策定 | |
4月 | 「泉山会(日本刀初心者講座修了生の会)」発足 | |
2005 | 4月 | ミューズクラブの正式名称を「佐野美術館賛助会ミューズクラブ」に変更、新会則施行、運営委員会発足 |
5月 | 峰田武が理事長に就任 | |
2006 | 9月 | ミューズクラブ「会員親睦ゴルフ大会」開催 |
11月 | 創立40周年。記念誌発行 | |
2007 | 4月 | 美術館改修工事(耐震工事・バリアフリー改修等) |
5月 | ミューズクラブ会報『ミューズ交歓』創刊(年2回) | |
2008 | 7月 | 美術館改修工事(空調工事) |
2009 | 4月 | ミューズクラブ会員銘板設置(美術館1階ロビー) |
9月 | 入館券の全国販売(チケットぴあ) | |
2010 | 10月 | 創立45周年記念「海外美術鑑賞の旅」開催 |
2011 | 1月 | 「さんしんギャラリー 善」開廊 |
3月 | 公益財団法人の認定〈静岡県〉 | |
11月
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創立45周年 敷地内に菓子処「雅心苑」開店 |
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12月 | ソーシャル・ネットワーキング・サービス運用を開始 | |
2012 | 12月 | 新収蔵庫竣工 |
2013 | 1月 | 隆泉苑庭園灯設置 |
4月
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美術館改修工事(常設展示室・映像コーナー設置、展示室・1Fロビー改修) 「キッズアートプロジェクトしずおか(県内小学生入館無料パスポート)」参画(~2024) |
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7月 | 入館券を伊豆箱根鉄道駿豆線全駅で販売 | |
12月 | 公開承認施設の認定(第3回)〈文化財保護法第53条 文化庁長官〉 | |
2015 | 11月 | 太陽光発電設備設置 |
2016 | 2月 | 「三島梅花藻の里」北側に駐車場設置 |
11月 | 創立50周年。記念誌発行 | |
2018 | 4月 | 「まひとつの会(日本刀初心者講座修了生の会)」発足 |
9月 | 日本刀研究用の建屋竣工 | |
12月 | 公開承認施設許可(第4回)〈文化財保護法第53条 文化庁長官〉 | |
2019 | 6月 | 渡邉妙子が理事長に就任 坪井則子が館長に就任 |
2022 | 5月 | クラウドファンディングによる隆泉苑の大規模改修プロジェクトを開始 |
2023 | 1月 | 隆泉苑改修 第1期工事 |
4月 | 隆泉苑改修 第2期工事 | |
9月 | 隆泉苑改修 第3期工事(~10月プロジェクト完了) | |
2024 | 6月 | 稲田精治が理事長に就任 |
コレクション
佐野美術館は、創立者・佐野隆一のコレクションを軸とし、その後購入、寄贈を受けたものを含め約3000件の美術品を収蔵しています。コレクションの特色はその多彩さにあり、日本刀は特に名品が多く、そのほか陶磁器・金銅仏・古写経・日本画・能面・装身具・人形など、東洋の美術工芸品を中心に、それぞれ系統立てて集められています。
収蔵品は常設展示室で仏像3点ほか、日本刀を中心にテーマを決めて、数点を展示します。年に何度か展示替えをしますので、展示中の作品につきましては、お知らせなどでご確認ください。
協約校
当館は、美術に親しみ豊かな感性を育む機会を提供するため、1997年より入館協約の制度を始めました。
協約を結んだ学校の、在校生徒学生及び教職員とその同伴者2名までが、学生手帳など身分証を提示することで、年間を通して展覧会を見学できるほか、当館施設の使用や特別鑑賞に関して特典があります。
高校を中心に、大学・中学校などと協約を結び、学校の課外授業や部活動、家族や友人との交流など、有効に活用されています。
お問い合わせ
当館では、協約校を随時募集しています。詳細はお問い合わせください。
入館協約校制度の利用申込書(PDF)
学芸グループ
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電話
055-975-7278 -
受付時間
10:00〜17:00 休館日は木曜(祝日の場合は開館)、年末年始、展示替期間など
各種申請
一般団体の来館予約
旅行会社の方向けです。バス駐車場の利用を希望、15以上のグループなどの場合は、ご来館希望日の1か月前までにお申し込みください。
学校教育関係向け
学校やクラス、部活動単位でご来館ください。ご希望にあわせて、館職員による美術館の概要や施設の案内、学芸員による作品の解説もいたします。
三島市内の小中学校は、三島市教育委員会学校教育課にお申し込みください。
学芸員が学校で、美術の鑑賞授業を行います。美術館や学芸員の仕事、佐野美術館の展覧会の案内、美術品の鑑賞について、映像やレプリカ、実物の作品を使った授業をします。
三島市内の小中学校は、そよかぜ学習として三島市よりお申し込みください。
近隣の学校に、美術に親しみ豊かな感性を育む機会を提供するために始めた制度です。
施設利用
作品資料の写真利用・撮影
当館が所管する美術品や施設の、写真を使用したい場合や、撮影を希望する場合、手続きが必要です。申請書の提出前にお問い合わせください。
展覧会のプレスリリースは、プレスルームよりダウンロードできますのでご覧ください。
個人的な目的の使用や、特定の商品販売促進等のための使用のご希望にはお応えできません。
お問い合わせ
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電話
055-975-7278
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受付時間
10:00〜17:00 休館日は木曜(祝日の場合は開館)、年末年始、展示替期間など
一般団体の来館予約:管理グループ
学校教育関係向け:学芸グループ
施設利用申し込み:管理グループ
作品資料の画像利用・取材:広報グループ