はしもとみお
三重県北部の古い民家にアトリエを構え、動物たちのそのままの姿形を木彫りにする、肖像彫刻家。各地の美術館で、木彫りの動物たちに間近で触れ合える展覧会を開催するほか、動物たちの肖像制作、フィギュアやオブジェの原型制作や動物たちのイラスト等も手がける。
撮影:かくたみほ
はしもとみお WEBSITE https://miohashimoto.com/
はしもとみお(1980年生まれ)の作り出す動物たちの彫刻は、ぬくもりや息づかいまでも感じさせます。それは「どこかにいる動物」ではなく、はしもとみおの身近に暮らす動物や、旅先で出会い、ふれあった動物たち1匹1匹の個性や思い出をそのまま再現しているからでしょう。
獣医になりたいと夢見ていた彼女は1995年に阪神・淡路大震災で被災し、動物たちのいる風景が一瞬にして失われるという光景を目の当たりにしました。この体験をきっかけに、たとえ失われた命であってもその輝きを彫刻という形で残したいと考えるようになります。
本展では「時間」をテーマに、モデルの動物たちが生きてきた時間と、はしもとみお本人の過ごしてきた時間とつなげてその軌跡をたどります。
新作を含む彫刻をはじめ、これまでに発表されていない、被災後から美術大学在学中の作品や、作品を制作するまでに丁寧に観察した動物たちのスケッチ、モデルそれぞれの個性を記録したメモなども多数展示します。
はしもとみおの作品を通じて、私たち人間とともに生きている動物たちの命を記憶する、形に残すという意味を感じていただける展覧会です。
入 館 料 | 一般・大学生1,300円 小・中・高校生650円 ※土曜日は小中学生無料 ※15名以上の団体は各2割引 |
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開館時間 | 10:00~17:00(入館の受付は16:30まで) |
休 館 日 | 木曜日 |
主 催 | 佐野美術館、三島市、三島市教育委員会、静岡新聞社・静岡放送 |
後 援 | 静岡県教育委員会 |
協 賛 | 伊豆箱根鉄道株式会社 |
企 画 | 神戸新聞社 |
特別協力 | ヤマト運輸株式会社 |
はしもとみお
三重県北部の古い民家にアトリエを構え、動物たちのそのままの姿形を木彫りにする、肖像彫刻家。各地の美術館で、木彫りの動物たちに間近で触れ合える展覧会を開催するほか、動物たちの肖像制作、フィギュアやオブジェの原型制作や動物たちのイラスト等も手がける。
撮影:かくたみほ
はしもとみお WEBSITE https://miohashimoto.com/
はしもとみおは、兵庫で生まれ、愛犬、ゴンちゃんと共に育ちました。
1987年に経験したゴンちゃんとの死別を、子供時代の最も悲しい出来事だった…と回想している彼女は獣医になりたい、という夢を抱くようになりました。
その夢が変化したのは、1995年の阪神・淡路大震災での被災がきっかけでした。
いのちはやがて尽きてしまうもの、だからこそ、それを留め、伝えることを自分の仕事にしたい…と考えて、芸術家としての進路を選んだのです。
ここでは、美術大学に入学するまでの未発表の作品や、在学中の作品を紹介。
はしもとみおの原点に迫りながら、現在の創作パートナーでもある、
黒柴犬の月くんなどの姿、そして、初公開となる大学院時代のアルバイト先の店長に依頼されて作った特別な作品《カール》もご紹介します。
いのちを見つめる、彼女のあたたかいまなざしは、飼い主からの依頼を受けてモデルとなったいきものたちだけではなく、野生の猫やツバメなどにも向けられます。
ここでは、彼女が日本国内で出会ったいきものたちを彫り上げた作品を展示します。
海に囲まれた国、日本に生まれ育ったはしもとみおの、陸だけではなく海のいきものたちにまで注がれるまなざしを感じてください。
また、日課の「朝練」-毎朝描いているスケッチも展示して、いきものへのまなざしを、別の角度からもクローズアップします。
2010年「うちの動物たちの彫刻を作ってほしい」という一通のメールをきっかけに、はしもとみおが初めて一人で海外へ行くこととなったアラブ首長国連邦をはじめとする世界各地で出会ったいきものたち。
さらには日本各地の動物園にいる世界の動物たちなど、はしもとみおが旅先で出会い、ふれあった動物たちを展示します。
「時」は、人間も、いきものたちも、誰もが等しく持っているものであり、留まることなく流れ続けるものでもあります。本展のテーマ「時を刻む」に呼応して、ここでははしもとみおが作り出した、時を刻む、時間の象徴である時計や、長い時を経ても読み継がれ、なおも愛され続ける物語に想を得たレリーフをご紹介。
未確認動物(UMA)を彫り出した唯一の異色作《ツチノコ》も、彩りを添えています。
はしもとみおは、自分が出会ったことのないいきものであっても、再現して会えるような作品も生み出してきました。
一方で、最も身近な愛犬や愛猫は一貫して重要なモチーフであり続けています。
ここでは、その両方と、未来を予見させるような新たなチャンレンジである絵本『おもいででいっぱいになったら』の原画を展示。
はしもとみおの見据えている「これから」をご覧いただきます。
刀身彫刻の施された刀と、巧みな彫り技の小道具をご紹介します。
【主な展示作品】
・脇指 銘 繁慶 江戸時代 佐野美術館蔵
・短刀 銘 一貫斎繁寿/六十八翁作 明治時代 個人蔵
・短刀 銘 伊勢神宮御神宝剣以余 酒井一貫斎繁正謹作/父稔為石田亘守護 昭和三十一年十月日 個人蔵
・牛若天狗図目貫 後藤即乗作 江戸時代 佐野美術館蔵
・影蝶透桜唐草金象嵌鐔 米光光正作 昭和時代 佐野美術館蔵