- 中国
- 唐時代(8世紀)
- 陶器
- 1口
- 高 35.2 cm
- ギリシャの、アンフォラという取っ手付きの瓶に似ている。もとは金属やガラスなどの製品だが、7世紀ころから中国で陶器を材質として真似て作られた。この瓶は耳を龍の形にするなど、中国らしさも見られる。きめ細かい土で形作り、緑・茶・白の三彩釉を掛けて低火度で焼いている。釉薬が溶けて流れ、微妙に混じり合うところが見どころである。実用品ではなく、王族などの副葬品として作られた。
- 中国
- 北宋時代(11世紀)
- 陶器
- 1口
- 径 19.9 cm 高 8.9 cm
- 灰色の素地に白土を塗り、透明釉を掛けて仕上げたものを白釉という。中国河北省の磁州窯またはその周辺で多く作られた。これは宋時代に流行した陶枕で、上面にのんびり蓮池を歩く鴨の姿が掻き落としで描かれている。鳥の背面を細かい丸い文様(珠文)で埋め尽くすが、これは金工の魚々子の技法をまねたものであろう。
- 朝鮮
- 高麗時代(12世紀)
- 陶器
- 1口
- 径 17.5 cm
- 丸みをおびたおっとりとした姿の鉢。高台は小さく低めで、見込みは無文、胴外側に二重蓮弁文が3層浮き彫りされている。淡い緑色の透明性の青磁釉が高台までむらなく掛り、高麗青磁の完成期作として、破綻のない優作といえる。
- 朝鮮
- 李朝時代(15世紀)
- 陶器
- 1口
- 高 24.0 cm
- 鉄分の多い素地を白土で覆い、掻き落としなどの技法で文様を表した後、透明性の釉薬をかけて焼き上げる。こうした技法を粉青沙器といい、15世紀から16世紀にかけて盛んに作られた。扁壺は水などを入れて持ち歩く容器で、李朝時代には様々な装飾の扁壺が作られた。これは平らな面いっぱいに生い茂る樹木の葉をのびやかに描き、側面や肩部分は区切って幾何学的な文様が描かれている。素朴な作風ではあるが、手慣れて洗練された趣もある。
- 崎山隆之(さきやまたかゆき)
- 1958~
- 日本
- 平成19年(2007)
- 陶器
- 1口
- 高 28.5 cm 幅 51.5 cm
- うねる波と白い砂浜を連想させる不思議な形の花器である。作者の崎山隆之は伊豆下田生まれ。現在も西伊豆黄金崎に窯を構え、海への想いを込めた作品を創り続けている。材質は信楽の土で、轆轤を使わず板を立ち上げていき、それを2 枚ないし3枚組み合わせて形を作っている。胴部は空洞なので見た目ほど重量はなく、それが白い砂のさらさらと風に舞い上がる軽やかさとして連想される。表面の筋はすべて手作業で彫るという、陶芸と彫刻との融合をも目指した新しいかたちの焼き物である。