年間スケジュール(2013年度)

平成25年4月19日(金)~平成25年5月19日(日)

画業65年記念 赤堀尚展 
―赤の軌跡

洋画家・赤堀尚の画業65年を記念して、ゆかりの地における初の本格的な展覧会を開催します。
赤堀尚は1927年(昭和2)、現在の静岡県沼津市内浦に生まれました。東京藝術大学油画科で梅原龍三郎、林武、山口薫らに学び、専攻科修了後、二度のフランス留学を通じて創作の基礎を築きました。立軌会(りゅうきかい)を主な作品発表の場に、現代洋画界の第一線で活躍しています。
赤堀尚の作品の澄んだ色彩、躍動する筆致は、モチーフから受けた作者の心の高揚です。それは現場に立ち、生きた素材を前にした時の、湧き上がる感興や内なる声を絵筆に託し描き出す、制作の姿勢から生まれています。
このたび、藝大時代から最新作まで、厳選した油彩画・水彩画約80点を展示します。赤堀尚の画道一筋の歩みと、新たな創造への情熱を燃やす85歳の今を、ぜひご覧ください。



入 館 料 一般・大学生1,000円 小・中・高校生500円
※毎週土曜日、5月5日(日・祝)は小中学生無料
※15名以上の団体は各2割引
平成25年5月25日(土)~平成25年6月30日(日)

プチファーブル
熊田千佳慕の世界

生き物たちの姿をまるで生きているかのように細密に描いた生物画家、熊田千佳慕。生涯ファーブルを尊敬し、虫たちの世界を同じ高さから等身大に描ききり、「日本のプチファーブル」と呼ばれました。
千佳慕は、幼いころから絵を描くことと小さな生き物たちに触れるのが大好きでした。美術学校を卒業後、グラフィックデザインの仕事を経て、絵描きの道に入りました。絵本作家として多くの外国の物語を紹介し高い評価をうけましたが、代表作は、ライフワークとなったファーブル昆虫記を絵本にするという仕事『ファーブル昆虫記の虫たち』の74作品です。数本の筆の穂先に少量の絵具をつけて細密に描いていく技法は、昆虫記に登場する虫たちの姿をリアルに生き生きとよみがえらせました。
「私は虫であり、虫は私である」と小さな生命を慈しみ、その世界に溶け込んで絵を描いた千佳慕。生き物たちへの愛にあふれた作品の数々をお楽しみください。



入 館 料 一般・大学生1,000円 小・中・高校生500円
※毎週土曜日は小中学生無料
※15名以上の団体は各2割引
平成25年7月6日(土)~平成25年8月25日(日)

いつも、いっしょ。

岩合光昭写真展「いぬ」

「走ること、待つこと、従うこと」

自然の中で人間とともに生きる犬を、写真家・岩合光昭は「完璧な存在」といいます。人と犬の関係は古く、地球上、人の暮らしがある場所ではいつも犬が一緒でした。日本人と日本犬は、ともに約1万年を暮らしてきたといわれます。列島をうつろう四季のようなさりげなさで、長い間共に歩んできたのです。また、主人である人と犬とはよく似るともいいます。人が犬に似ていくのか、犬が人に似てくるのか、それとも似たもの同士がはじめから惹かれあうのか――。いずれにしても、人と犬の間には、歴史がはぐくんだ深く強い絆があるようです。
本展は、写真家・岩合光昭が40年に及ぶ写真家生活の中で追い続けてきた犬たちを一堂に集めました。堂々たる風格の柴犬をはじめとする、天然記念物の日本犬6犬種。それぞれに個性あふれる魅力をたたえた姿で愛犬家に人気の高い世界の犬たち。また、地球上のいたるところで街角に溶け込んで人と一緒に生きる犬や極地や大自然の中でたくましく生きる迫力に満ちた犬たちを、約120点の写真作品で余すことなくご紹介いたします。



入 館 料 一般・大学生1,000円 小・中・高校生500円
※毎週土曜日は小中学生無料
※15名以上の団体は各2割引
平成25年8月31日(土)~平成25年10月6日(日)

生誕200年記念 清麿展

幕末を駆け抜けた孤高の刀工

源清麿(みなもと きよまろ)は、幕末に活躍した日本刀の名匠です。
清麿の魅力は、澄んだ地鉄(じがね)の柔らかさと刃文(はもん)の躍動感にあります。澄んだ地鉄は良質の鉄を使い、その鉄の性質を十分に活かす熟練した腕を、刃文の躍動感は作刀に生涯をかけた清麿という刀工の心意気を感じさせます。
清麿は文化10年(1813)信州小諸(こもろ)藩の郷士の次男として生まれ、兄の影響で作刀を始めました。婿養子に入り一男をもうけましたが、刀への情熱を捨てきれず、妻子を郷里に残し江戸に出て、作刀修行に邁進しました。そして清麿の刀は多くの人々の求めるところとなったのです。
しかし人気絶頂の中、嘉永7年(1855)清麿は四谷の自宅で自らの命を絶ちました。その原因については多くの憶測が飛び交いましたが、今なお謎のままです。
清麿が18歳で作刀の道に入り42歳で自ら死を選ぶまで、ひたすらに歩み続けた刀の道。その中で生み出された選りすぐりの名刀約50点を一堂に展示します。
※木曜休館

主な出品作品
■脇指 銘 天然子完利 二十七歳造之/一貫斎正行十八造之 文政十三年四月日
■短刀 銘 まつよい/天保十年正行造
■脇指 銘 正行/天保十一子年十月十三日太々土壇拂
■薙刀 銘 於長門國正行製/天保十四年二月日
■太刀 銘 為窪田清音君 山浦環源清麿製/弘化丙午年八月日 [重要美術品]
■刀  銘 源清麿/弘化三年八月日
■大小 銘 源清麿/嘉永元年八月日〈号 一期一腰〉
■刀  銘 源清麿/嘉永二年八月日
■短刀 銘 源清麿/嘉永三年八月日
■太刀 銘 清麿/嘉永三年十二月吉日
■刀  銘 源清麿/嘉永七年正月日(絶作)〈切付銘〉切手山田源蔵/安政三年十月廿三日於千住太々土壇拂



入 館 料 一般・大学生1,000円 小・中・高校生500円
※毎週土曜日は小中学生無料
※15名以上の団体は各2割引
平成25年10月12日(土)~平成25年12月23日(月)

「アート、仕立て上がりました。」

高島屋コレクション きもの・装いの美

百選会・上品會の歴史

【前期展示】
10月12日(土)~11月20日(水)
【後期展示】
11月22日(金)~12月23日(月)

天保2(1831)年、京都烏丸の地に創業した老舗百貨店・高島屋。呉服の高島屋の大きな柱となったのは「百選会(ひゃくせんかい)」と「上品會(じょうぼんかい)」というふたつの新作発表会でした。
「百選会」は大正2(1913)年に始まり、その時の流行色と社会状況に根差したテーマを高島屋が設定し、全国の染色業者に個性豊かな着物のデザインを競わせるというものです。審査の過程には当時の文化人たちも参加し、数千点の応募作から選ばれた着物は呉服のみならずファッション全般の流行を担うこととなりました。
その一方で、昭和11年(1936)年から、織・染・繍・絞・絣の染織五芸を老舗業者が競う「上品會」を開催しました。この回は、流行に流されることなく至高の技を継承することを第一義と考え、発表作は全て高島屋が買い取って販売するという、まさに呉服の高島屋の真骨頂と言うべき会です。
本展では、高島屋史料館の所蔵する両会の出品作から、時代の息吹を感じる百選会と、伝統的な技を究め現在も続く上品會の着物約100点を展示します。日本の着物において美の創造と継承とを目指した高島屋の神髄に触れていただきたいと思います。

※木曜休館
※前期・後期で作品を入れ替えます。

◎きもの特典/会期中、和装でご来場の方に粗品をプレゼントします。



入 館 料 一般・大学生1,000円 小・中・高校生500円
※毎週土曜日は小中学生無料
※15名以上の団体は各2割引
※本展チケット(有料)半券のご提示で、会期中2回目以降の入館料2割引
平成26年1月7日(火)~平成26年2月11日(火)

戦国アバンギャルドとその昇華
兜 KABUTO

織田信長、次いで豊臣秀吉が天下統一を目指していた群雄割拠(ぐんゆうかっきょ)の時代。下克上も夢ではない実力主義の世界に生きた猛者(もさ)たちは、あまたの逸話とともに新たな時代の扉を開きました。そして彼らの型に捉われない生き様は、戦の晴れ姿である兜に、かつてない斬新な形を生み出しました。
伊達正宗は額に三日月を頂き、黒田長政は雄々しい水牛の角を生やした兜をかぶる。その発想力・具現力が生み出した鮮烈な造形は、単なる奇抜さだけでなく、高い見識によって洗練された緊張感を漂わせています。
続く江戸時代、その独創性はより細密さを増し、刀を納める鞘(さや)やその周辺の小柄(こづか)、小刀、鐔(つば)などで新たな発展を見せました。
戦国の世に花開き、太平の世で成熟した、サムライ・アバンギャルドをご堪能ください。

会期中一部展示替えがあります。



入 館 料 一般・大学生1,000円 小・中・高校生500円
※毎週土曜日は小中学生無料
※15名以上の団体は各2割引
平成26年2月16日(日)~平成26年3月30日(日)

辻村寿三郎人形展 平家物語縁起 

~清盛、その絆と夢~

日本を代表する人形師、辻村寿三郎。これまでにも歴史に翻弄され語り継がれてきた人々の姿を数多く人形に作りあげてきました。今回の展覧会では、平家物語をテーマに壮大な人形絵巻が繰り広げられます。
「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり…」で始まる平家物語。主人公・平清盛はまさに驕れる者であり、盛者必衰の理により滅びたのだとされています。しかし寿三郎は、「清盛は日本史上、最も魅力ある人間の一人だ」と言います。「歴史のみが真実ではない」という思いから、綿密な取材を重ね、史実を見つめ直し、そこから見えてきた清盛の姿や彼を取り巻く人間模様を人形に託して、新たな「平家物語縁起」を創り上げました。独自の解釈と豊かな想像力から生まれた人形たちは、私たちに知られざる清盛像を見せてくれることでしょう。
本展は、寿三郎の集大成とも言うべき「平家物語縁起」を始め、仏像など渾身の作品を一堂に会した、必見の展覧会です。見る者自身の心が映し出されるほど、人の心を持った人形たち。その世界を堪能していただきたいと思います。

※木曜休館



入 館 料 一般・大学生1,000円 小・中・高校生500円
※毎週土曜日は小中学生無料
※15名以上の団体は各2割引